第13章 AFFECTIONATEー深愛ー
「いやあああああッッ!
与一きゅんったら何してんのよォ。
アタシにだってしてくれた事無いのにィィィィ!」
顔を紅潮させて絶叫するサン・ジェルミさん。
「あ…僕、オカマは無理なんで。」
無表情でキッパリと答える与一さん。
「おい、オカマ伯。
どーだ、俺じゃ駄目か?
ふふん……実は俺、両方イケるんだよなー。
あー…蘭丸に会いたいなー。」
顎を撫でながら艶っぽく囁いたのは信長様で…
「あ…アタシ、ジジイは無理だから。」
今度はサン・ジェルミさんが遠い目をした。
そんな3人をクスクス笑いながら見つめていると、不意に腕を組んだサン・ジェルミさんが私の前に立ちはだかる。
その威圧的な表情を見上げて相変わらずだなぁ…なんて思ってみても、もう全然怖くなんてなかった。
「ってば、そんな大人しそうな顔して男たらしよねー。
ホント、憎たらしいったらありゃしない!
でもアタシ……
アンタの事、嫌いじゃなかったわ。」
照れた様にそっぽを向いて鼻を鳴らすサン・ジェルミさん。
だから私も満面の笑みを浮かべて返事をした。
「はい。
私『も』サン・ジェルミさんの事が大好きでした。」