第13章 AFFECTIONATEー深愛ー
豊久は私の身体に負担が掛からないように、ゆっくりと丁寧にワンピースを脱がした。
そして私の胸に当てられていた布もそっと剥ぐと、露になった銃創を見つめてギリッと唇を噛む。
でも、そんな顔を見せたのは一瞬だった。
直ぐにまた穏やかな表情に戻って手を伸ばし
「こん締め付けおったら苦しかろうが。」
私の背中に手を差し入れて、以前あれ程苦戦したブラを簡単に外す。
日本の歴史で女性のブラジャーを一番最初に外した男は『島津豊久』だったのかぁ…なんて、下らない事を思い付いて私はふふっと笑った。
「何ぞ可笑しかが?」
「ううん。
外すの上手になったなぁ…って思って。」
「おう!
今度は着け方も教えちくれな。」
豊久と微笑みながらこんな他愛も無い会話を出来る事が凄く嬉しい。
このまま時間が止まってしまえばいいのに……。
そして裸になった私の全身は、豊久の大きな身体にすっぽりと包まれた。
厚い胸板に両手を添え、顔を埋める。
4本の脚は絡み合い、擦り合って段々と熱を帯びる。
私の背中にぐるりと回された豊久の両腕は、絶妙な力加減で私の呼吸を邪魔する事無く、温もりだけを確実に与えてくれた。
「ああ…豊久は温かいなあ……」
「、苦しくは無かが?」
「うん。大丈夫。」
「そんなら良か。」
豊久に抱かれているだけで何故だか呼吸も楽になって、このまま眠りに落ちてしまいそう。
駄目だよ……豊久と話したい事はまだまだあるのに。