第13章 AFFECTIONATEー深愛ー
「豊久……お願いっ…だから……」
泣いちゃ駄目だって思えば思う程、涙が滲んで来てしまう。
溢れ落ちてしまいそうな涙を隠す私の手を退かそうとした豊久が息を飲んだ。
「お前(まあ)の手…
ないごてこげんに冷たかか?」
そして掴んだ私の手に唇を寄せる。
「いつもあんな温うて、心地好か手じゃったのに。
じゃっどん…これじゃあ、まるで……」
………死んでるみたい?
そう言わないでいてくれる豊久は、やっぱり優しいね。
「少しだけ寒いからかな。
でも…大丈夫だよ。」
豊久を見上げて顔を歪めた私は、もう自分が泣いているのか笑っているのか…それすらも分からなかった。
そんな私を暫く見下ろしていた豊久は、無言のまま突然自分の着ている物を手早く脱ぎ始める。
どうしたんだろうと思っている内にも露になって行く身体。
逞しくて靭やかで…やっぱり傷だらけだ。
でもその傷一つ一つすらが愛おしくて堪らない。
全て脱ぎ終え全裸になった豊久の手が、今度は私のワンピースに掛かった。
「…豊…久?」
小さく問い掛けても豊久の手は止まらず、そして力強く言い放った。
「俺(おい)がお前(まあ)を温めてやるち。
俺(おい)の熱を全部、にやる。」