第12章 REUNIONー再会ー
あれ……どうしたのかな?
足に力が入らない。
見えている景色がスローモーションのようにグラリと傾いて、私は自分が突き倒した豊久の上へ倒れ込んだ。
「っっ!!」
私の名前を呼ぶ豊久の声が何故か遠くに聞こえる。
それでも私を両腕でしっかりと抱き抱えてくれる豊久の温もりはちゃんと感じていた。
「あー……豊久だぁ…」
その腕の中で悲痛に歪む豊久の顔を見上げて、私はニコニコと笑う。
だって嬉しくて堪らなかったんだ。
胸が押し潰されそうな程会いたかった豊久に抱かれているなんて……。
「…確りとせい!
気を確りと持て!」
「うん…うん……大丈夫…だよ。」
そう答えてみても、大丈夫かどうかなんて自分でも分からなかった。
痛いとか苦しいとか、それすらも分からない。
ただ…とても寒かった。
身体中から全ての熱が奪われて行くような気がしていた。
気が付けば豊久に抱かれる私の傍らに、信長様と与一さんも屈み込んで居る。
「、何も心配する事はにゃーぞ。
こんな傷、俺が直ぐに癒やしてやるからのう。」
微笑みながら私の髪を優しく撫でてくれる信長様の手が心地好い。
「さん…
ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐いて…
そう、心配しないで。
大丈夫だからね。」
私の胸に空いた穴に手を当てて言う与一さんの柔らかい声は、相変わらず心を凪がせてくれた。