第12章 REUNIONー再会ー
「必死に生きて来たさ。
なあ、貴様も必死に生きたであろう?
己の生き様を信じて、
己の行って来た事は全て正しいのだと。
だが……その生き様から弾き出されて
今、ふと考えてみると……不安に為るのだ。
本当に正しかったのか…と、
己は間違っていなかったのか……と。
そうなりゃ、もう……怖くて堪らないよのう?」
信長様はそんな風に思っていたの?
私は驚きを隠せないまま土方歳三の顔を見上げて見ると、彼は図星を指されたような目で信長様をじっと見ている。
「怖くて怖くて……大の大人が震える程に怖い。
そんな恐怖をの紡ぐ言葉は、
綺麗さっぱりと払拭してくれる。
『貴方は間違ってなんかいない』と、
真っ直ぐな目で導いてくれるのじゃもの……
そりゃあ、を手放したくは無いわな。」
そう……だったんだ。
知らない内に私の頬を涙が一筋伝っていた。
自分が何かを成し遂げたなんて欠片も思ってはいない。
私は只、自分の知っている事と、感じた事を口にしただけ。
でもそれが、信長様や土方歳三を少しでも救ってあげられていたのだとしたら……こんなに嬉しい事は無いよ。
その時にはもう土方歳三の腕の力は完全に抜け切っていて、ただ私の肩に腕を回しているだけの状態になっていた。