第12章 REUNIONー再会ー
私達の背後からゆったりとした歩調で近付いて来た信長様は、牙を剥き唸る獣を宥めるような口調で滔々と語り始めた。
「貴様には殺せんよ。
何故なら……
お豊(トヨ)以上にを必要としているからだ。」
「………どうして、そう言える?」
土方歳三は信長様をじっと見据えてそう言ったけれど、動揺しているのは私にも分かる程に明白だ。
「貴様もの生きていた時代では
随分と有名人らしいのう?
ま、俺様程では無いだろうが。」
「そんな事はどうでも良い!」
信長様の柔らかな語り口に土方歳三は苛立っているみたいだ。
一体、信長様は何をしようとしているんだろう?
「どうでも良くないぞ。
俺と貴様は似ているのだからな。」
「何だと?」
信長様と土方歳三が似てる?
生きていた時代も背景も全く違う二人なのに……。
気が付けば私も信長様が紡ぐ言葉に耳を奪われていた。