第12章 REUNIONー再会ー
私の目に映ったのは……
息を切らせながらも仁王立ちでこっちを睨み付ける豊久。
ああ……また私を見付けてくれたんだね。
「………豊久。」
その名をそっと呼んだ時、私の身体は圧迫から解放された。
「これで……良いのか?」
土方歳三は私を踏み付けていた足を上げ……そして素早い動作で私を立ち上がらせると、今度は背後から首に腕を巻き付ける。
「ぐっ……」
ギリリと締め上げられれば、また新たな息苦しさに襲われた。
「……俺(おい)はを放せと言うちょる。」
意外に冷静な声を響かせる豊久に向かって、土方歳三はくつくつと喉を鳴らしながら言った。
「どうせあの二人も来て居るのだろう?
那須与一……何処から俺を狙っている?
を手放した途端にあっさりと射られる訳にはいかぬからな。
………信長公も何処かで俺を見ているか?」
そして私は一層締め上げられ、その首筋にベロリと舌が這わされる。
「ん……ぅ………」
苦しさと全身に走る悪寒に声が漏れる。
「細い首だ。
俺が一寸力を込めれば、簡単に折れて仕舞うだろうな。
それでも良いのか?
なあ、島津………良いか?」
また…だ。
また私の所為で豊久が責められている。
もうこんなの耐えられないよ。
それならもう、いっその事………
「止めておけ。」
私の決め掛けた覚悟を諭すタイミングで聞こえたその声の主は……
信長様だった。