第12章 REUNIONー再会ー
何処をどう進んだのか、迷路のような通路を抜けてふと気付けば屋外に出ていた。
久し振りに見る空はどんよりと曇っている。
この先を暗示しているような曇天に、私の胸が嫌な音を発てた。
突然立ち止まった土方歳三が指笛を響かせると、羽音が徐々に近付いて来る。
鳥……?
それにしては大きな………
土方歳三の肩の上で空を見上げてみれば……
頭上を飛び回る異様な生物に私は息を飲んだ。
何、アレ?
……………竜?
そう、良くファンタジー映画なんかで見るドラゴンそのものだ。
あんなモノを実際に目にするなんて、今更ながら自分の置かれている状況に目眩がしそう。
まさかアレに乗って逃げるつもりなの?
そんな事になったら今度こそ本当に豊久には会えなくなっちゃうかも……。
「お願い。
放してっっ………」
無駄だとは思いつつも抵抗するのを止められない。
だけど私を抱える土方歳三の腕の力は全く弛む事は無かった。
その時、聞き覚えのある轟音……
そして何発もの爆裂音が響き、頭上を飛んでいたドラゴンがどしゃりと私達の前に崩れ落ちて来た。
「…………菅野さんっ!」
ドラゴンの代わりに今頭上を旋回しているのは紫電改。
来てくれたんだ。
菅野さん達も来てくれているんだ。
じゃあ私だってやっぱり諦める訳にはいかない!