第12章 REUNIONー再会ー
残りの食事を自棄になって喉に流し込んだ私は
「ご馳走様でした。」
そう言って丁寧に手を合わせた。
どんな状況であろうと、こうして食事を摂らせて貰える事には感謝しなくちゃ。
そんな私を見つめていた土方歳三はゆっくりと立ち上がり空になった食器を手にすると、この部屋唯一の出入口へ向かう。
これもまた何度も繰り返された行動だ。
「あの………ありがとう…ございます。」
如何にも重そうな石の扉を開けるその背中に御礼を言ってみても、彼は振り返る事も無く部屋を出る。
そしてこれもまたいつも通りに、外から頑丈そうな鍵を掛ける音が部屋中に響いた。
土方歳三は一度部屋を出ると、短くても30分程度は戻って来ない。
勿論これ迄何度もその隙に逃げられないものかと努力はしてみた。
だけどこの部屋には窓も無いし、あの石の扉は私の力ではびくともしなかった。
大体此所が何処で、この建物が何なのかすら分かってないんだ。
部屋を出られたとしても逃げ切れるなんて思えないけど、それでもこのまま諦める訳にはいかない。
何か策は無いだろうかと考えを巡らせていると、今度は慌ただしく鍵を開ける音が聞こえる。
今日は随分と早いな…そう思って開かれた扉へ目を向けると………
そこに立っていたのは源義経だった。