第2章 Second impact

「……ですけど。」

「…………
　んっ、知らないわ。
　どーしてアンタみたいなのが送られて来たのかしらァ。」

そんなの、私の方が聞きたいくらいだよ。

まるで私を値踏みしているような視線が突き刺さって本当に居心地が悪い。

大体、そういうこの人は一体誰なの？

何だかちょっとイラついてきちゃって、私は思い切って聞いてみた。

「それで、あなたは一体どなたなんですか？」

「あらヤダ。
　アンタ、私の名前を聞いちゃうの？
　大人しそうな顔して結構図太い神経してるじゃない。」

怒られるかとも思ったけど、彼は愉し気にケラケラと笑う。

「私はサン・ジェルミ。
　アンタが気軽に声を掛けて良い相手じゃないのよォ。」

サン・ジェルミ……

何処かで聞いた事がある。

また自分の頭の中をゴソゴソと探り始めて

「…………あ。」

私は１つの答えを引き出した。

「サン・ジェルマン伯爵……」

無意識にその答えを呟くと、一瞬にして彼の顔から笑顔が消える。

「あなた……私を知ってるの？」