第2章 Second impact
「それで……
お前(まあ)のその傷の理由は何ぞ?」
与一さんに手当てをしてもらった私の身体を舐めるように見回して豊久さんが聞いてきた。
「電車事故……多分、事故に遭って……」
そう、通学途中の電車で感じたあの衝撃。
あれしか考えられない。
「電車…とは何ぞ?
事故つう事は戦ったのでは無かか?」
いや、戦うって…。
私の時代ではそんなの有り得ないから。
戦ってこんなに傷だらけになったなら、それは事件だから。
「何じゃ、つまらんのう。
どんな武勇伝を聞かせて貰えるもん思うたのに。」
どうやら豊久さんは私に興味を無くしたみたいだ。
つまらなそうに欠伸までしてる。
「済まんな、。
お豊(トヨ)は根っからの戦闘馬鹿でのー。」
信長様は喉を鳴らしながら笑った……けど、突然私を探るように真剣な目を向けて来た。
「して、も会ったか?
あの男に。」
「………あの男?」
「そう。
奇妙な石造りの通路に無数の扉が壁を埋めておって…
その通路の真ん中に居た、これまた奇妙な男じゃ。」
あっ………