• テキストサイズ

華のように 鬼のように ~ぬら孫夢小説~

第4章 3 玉章と七つの影


次の日。月曜日。

リクオはいつものように学校へと駈け出して言った。

「いってきまーす。」

「いってらっしゃい。」

「あ、待ってください。若~!!」


にこやかに手を振る若菜と、すでに小さくなったリクオの後を追いかける氷麗と青田坊。

三人がいってしまうと、若菜はとあるふすまの前で声をかけた。





「開けてもいい?」

「…あ!どうぞ~。」

若菜がふすまを開けると、全身鏡の前で服装をチェックする紫苑。最後に長い黒髪を巫女のように白い髪紐で止めると、若菜を振りむいた。


「どう?きちんとなってる?」

「なってるなってる。」

紫苑が今着ているのは、リクオの通う浮世絵中学の制服。


「あ、そうだ。リクオにお弁当届けてもらってもいいかしら?あの子ったらまた忘れて…」


紫苑は若菜が差し出したお弁当を受け取ると、鞄の中に入れた。若菜の手にはもう一つ包みが握られている。


「これ、紫苑ちゃんの分。」

「ありがとう。…それじゃ、行ってきます。」

「気をつけてね。」

「は~い。」

後ろ手に若菜に手を振りながら部屋を駆けだす紫苑。朝の光の中を学校へと向かって爽快に走り抜ける。
/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp