第3章 神の率いる百鬼夜行
「おい、四代目。俺を忘れんじゃねぇ。」
野太い声が聞こえ、紫苑がごめんと手を合わせる。
ずけずけとリクオの前に来てどかっと座り込んだ、赤髪の妖怪。
「俺は鳳凰。朱雀と同じ、炎の鳥だ。太陽の化身ともいわれる。」
「おいそこどけよ。俺がまだだ。」
鳳凰を前足で押しのけたのは、空色をした獣。
「おい!こら、てめぇ。風牙。何しやがる!!」
「おめぇがどかねぇからこうなってんだ。鳥は大人しく空でも飛んでろ。」
「なにおぉ~!!」
「んだ?やんのか?」
「いい加減にしなさい。」
紫苑の鋭い声が静かに響き渡る。二人は口喧嘩はやめたものの、互いににらみ合ったまま。
「…用が無いなら下がりなさい。」
「総大将!こいつが…」「こいつが俺を…」
抗議の口を開きかけた二人は紫苑の様子を見ると、おそれおののき大人しくなった。