第3章 神の率いる百鬼夜行
日曜日。いつもと変わらない奴良組の朝。しかし、これからは少し違う。新たなメンバー、紫苑が聖獣組一行を連れ戻ってきたのだ。
リクオは背伸びをすると、縁側に立っていつもと同じように朝の新鮮な空気を吸う。ふと気配がして横を見ると、紫苑もまた朝の新鮮な空気に身をゆだねていた。
「おはよ。よく眠れた?」
「おはよ~。おかげさまで。」
今の紫苑は人間姿で、黒い菊模様の着物を着ている。
「似合ってるね。その着物。」
リクオが褒めると、紫苑は照れくさそうにありがと。とつぶやいた。
庭にはもうすでに、小妖怪たちが散らばり遊んでいる。二人はそんな穏やかな様子を見ながら、心が温まる感じがした。
「そう言えば、まだ僕ら奴良組妖怪の紹介してなかったね。幼いころいたとはいえ、分からないこともあるから。若頭として知っといた方がいいことも。」
「そう言えばそうだね~。聖獣組も顔合わせしてないし。…実質、リクオは聖獣組の総大将でもあるから…ふふ、奴良組若頭としてはリクオが先輩で、聖獣組総大将としては私が先輩だね。」
「はは、そうだね。それじゃ、僕の部屋で皆を集めて待ってるよ。」
それぞれ収集をかけるため、小妖怪を呼ぶ。
「皆を集めてくれないか?」
リクオが庭で遊んでいた小妖怪達を呼び、用件を伝える。
紫苑も同じく小妖怪を呼び、用件を伝える。
「リクオの部屋に集まるように言って。」
小妖怪達はそれぞれ頷くと、嬉しそうにかけて行った。
仲よく自分達の頭の為に仲間を捜しに行く小妖怪を見て、リクオは笑みを浮かべていた。
「聖獣組の人たちはフレンドリーだね。もうあんなに仲良くなってる。」
「…一安心だわ。」