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華のように 鬼のように ~ぬら孫夢小説~

第2章 新たなる出会い










「…するか?」






「…上等。」








互いに刀の柄に手を当てゆっくりと引きぬきながら、真剣なまなざしで相手を見つめる。

喧嘩っ早いのはどちらも、祖父譲りのようだ。

どちらも目をそらさずにじっと、時を待っている。
月明かりに照らされた桜の花びらが、うっすらと光を帯びながら舞い落ち、風に踊る。

ふいに、さぁっと風邪が大きく吹いた瞬間、薄桃色の光の中で小さく金属が触れ合う音が聞こえた。

相手を傷つける気なんか全くないのでどちらも互いの刀をはじこうと手を返すように刀を操る。
見た感じどちらも同じくらいの強さ。互いの攻防が続き、夜のしじまを乱す。

しばらくすると、互いの首に刀を突き付けた状態で止まった。
紫苑はその状態にふっと、笑みをこぼすとゆっくり刀をおさめた。リクオも刀をおさめる。一体どのくらいやっていたのだろうか。二人は互いに肩で息をしていた。


「まぁまぁだな。」
「強いんだね。リクオは。」
「全ての妖怪どもは俺の後ろで百鬼夜行の群れとなるからな。」
「その台詞も今日で終わり。これからは私がいること、忘れないで。」
リクオはその言葉に口元を緩め、そうだな。と笑った。








そして、その夜。月の下で静かに盃が交わされたのであった。
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