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D.Gray-man 歪に歪んで

第1章 巻き戻しの街




ーーーガタンガタン

車窓からは綺麗な町並みが見える。


「ハルと一緒の任務って久しぶりね」

私の前に座るリナリーが嬉しそうにそう言った。
確かに、そうかもしれない。


今は、ドイツのある街に向かっている汽車の中。
リナリーと最近入団してきたアレンと私での三人で任務だ。


「確かに久しぶりかも!アレンは、これが初任務?」

「いえ、何度か任務には行ってます。最初の任務は神田と行きました。」

私の隣に座る彼は、かの有名な元帥ーークロス・マリアンの弟子らしい。三ヶ月前、一人で教団にやって来た。

その時私はちょうど任務でいなくて、リナリーから色々と大変だったと聞いた。


「そうだよね。入団してから三ヶ月くらい経つもんね。神田との任務どうだった?彼、取っつきにくかったでしょ?」
少し冗談のつもりで言ってみた。

「はい、とても。僕のこと嫌いみたいで。僕もあんなヤツ大嫌いですけどね」

「そ、そう」

にっこり笑顔で返事をしてくれたが、アレン目が笑ってないよ…
初めて会った時は紳士的な子だな、と思っていたけど、実はすごく黒い子かもしれないな…。


リナリーもそんなアレンを見て苦笑いをしていた。


「あ、そういえばどんな任務でしたっけ?」

重い空気を感じたのか、話題を変えるアレン。


「確か、巻き戻しの街、だったっけ?」

「あの問屋の話、けっこうなホラーでしたね」

ぶるっと震えるアレンを見ると、もしかして…


「アレンはおばけとかダメなの?」

私がそう聞くと、リナリーも興味津々というようにアレンを見た。

「ぃえ?!別にダメじゃないですけど、得意じゃないだけです」


ははは…と乾いた笑いがアレンから溢れる。
苦手なんだな…ときっとリナリーも思っただろう。



空が少し曇ってきた。日も傾き始めてる。
かれこれ何時間も汽車に乗ってるので、もう少しで着くはず。




窓の外を見てみると、壁に囲まれた街が遠くに見えた。

時間が巻き戻る街。
ある一日をずっと繰り返している街があるらしい。










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