第4章 人命救助訓練とヴィラン連合
うえっ、朝食べたものが出てくるかと思った。黙っていろ…ということか?口で言えよ。
「平和の象徴はてめぇら如きに殺されねぇよ」
轟の声が響いた。それと同時に私が見たのは、脳無から脱出するオールマイト、そして爆豪にやり込められている黒霧さんの姿だった。……ふむ。これはやばい。
「このうっかりヤローめ!思った通りだ」
うっかりヤローって何それうける。今度黒霧さんに言ってやろ。確かにちょっと抜けているところあるもんね。そして、爆豪の話を聞いていると、なるほど。結構きれるヤツだったのね君。言っていることが的を得てる。
「……出入口を押さえられたこりゃあ、ピンチだな」
そう言いながら私を担ぐ手をぎゅっと締める死柄木。………あーはいはい。出口ね。あんた散々黒霧さんをこき使っておいて、結局黒霧さん頼りなんだもん。私は息をゆっくりと吸った。そして、人間には聞こえない波長を口から出した。
「犬猫山少女!!今助けに……」
げっ!しまった。助けてもらってからすればよかった。しかし、もう遅い。脳無は今ので動き出したのだから。
「か、体が割れているのに動いている」
まぁ、私が命令したもん。
「ショック吸収の個性じゃないのか!!」
んー、残念。それだけじゃないんだなこれが。超再生というやつだ。
「脳無はお前専用、人間サンドバックだ」
爆豪に向かっていく脳無。砂が立ち込め、脳無たちの姿は見えなくなる。
「……ガキを庇ったか」
「うん。でも、まぁ予想通り」
粉塵の中から現れたのは血を吐くオールマイトだった。ふむ。脳無少々パワーが足りないんじゃない
「────俺はな怒っているんだオールマイト。暴力は暴力しか生まないのだと、お前を殺して世間に知らしめてやるのさ!!」
……あぁ、始まったよこの語り。気持ち悪いったらありゃしない。良さげなことを言ってるようで、言ってないこいつの言動は、聞いていてとても気持ちが悪い。
「自分が楽しみたいだけだろ。嘘をつきめ」
「バレるの早っ」
あぁ、ぞぞっとくる。とても嫌だ。あぁ、なんで私こんなところにいるんだろ。先生、助けて。
「犬猫山少女を離せ。決着をつけようじゃないか」
オールマイトが私を指さした。しかし、死柄木は微動だにしない。
「脳無、黒霧やれ。俺は子供をあしらう」
はぁ!?私を担いだままで?