第4章 人命救助訓練とヴィラン連合
「うっ!?」
その言葉のとおり私は彼の顔に薬をぶちまけた。それはまぁ、残念ながら失明させるものではないんだけど、一時的に視力を落とす代物。さらに残念なことにこいつは寸前のところで避けて、片目しかかからなかったよう。
「ぐはっ!」
しかし、体勢が崩れたことには変わりない。私は思いっきり彼の横っ腹を蹴った。しかし、ここでまさかの予想外の出来事が。死柄木が命令したのだ。オールマイト用兵器に。
「脳無!! このガキぶっ殺せ!!!!」
…まじかよ。その言葉のとおり脳無はこちらへと突進してきた。くっ!いっぺんどころか3回ぐらい死ね!!
私は口笛を吹き、脳無にむかって植物たちを襲わせた。しかしまぁ、見事に粉砕させられた。
「く……くはははは!!死ね!!死ね!!!!!!!!死んじまえ!!」
脳無がこちらへ大きく拳を振り上げる。死柄木はいつの間にか相澤先生のところにいた。
「ぐおおおお!」
私は一か八か指を鳴らした。
「うおっ!?」
拳は私に当たることなく横へそれた。次の攻撃も次の攻撃もだ。段々死柄木がイライラし始めるのが分かる。
「何してる!!さっさと殺せ!! 役立たず!!」
「うおおお!」
再び拳を振り上げる脳無。
「役立たずはないでしょ、ねぇ?」
私は指を2回鳴らすと、脳無の体は横へと吹っ飛んだ。ふぅ、やれやれ。危なかった。
「なっ!?」
ようは理性のない改造人間なんでしょ?脳無って。だったらそれって、動物と同じじゃん。脳みそが丸出しなぶん動物よりやりやすかったよ。それにしてもさ…
「なに余所見?余裕だね」
いつまでもぼーっと脳無が飛んだ方向を見ていた死柄木を蹴り飛ばし、私は相澤先生を見た。
「…………犬猫山……お前………」
「先生大丈夫ですか!?って、うわ……医務室のおばちゃん、これも治せるのかな」
私はとりあえず先生のマフラーで手当をした。しかしまぁ、先生のマフラー汚いな。
「…………ばか……敵から目を逸らすな。まだ……」
まだ…?ばっと死柄木を見ると、いつの間にか黒霧さんと合流していた。……どうやら黒霧さんのへまで助けを呼びにいかされたようだ。
「…流石に何十人のヒーローには敵わない。ゲームオーバーだ……あぁ、今回はゲームオーバーだ。帰ろっか」
死柄木が苦々しく呟いた。