第16章 私はヴィラン、ヒーローじゃないの
「私はヒーロー…」
仮免に合格した夜…私は部屋で大の字になっていた。……私の理想は果たしてこうだったか…
「にゃ?」
相変わらず、クロシロの言葉は分からず、私は彼の言葉に目を閉じた。頭の中ではトガヒミコの言葉が流れていた。……殺してきてあげますね…? お前が…私の何を知って…!!
「…………もう無理…!!」
「にゃっ!?」
私は彼を抱き上げ、外に出る服装へと着替えた。もう無理…もう無理だ…!! こんな拘束…耐えられない…!!!!!!!!
「にゃー?」
「外に出る!! 寮の規則なんて知るかっ!!!!」
今の私に必要なのは、気分転換…それだけだった。