第15章 新たな門出と、仮免
相澤先生の指示で、私たちはバスへと乗り込んだ。
「お疲れ~」
皆に声をかけながら、私は窓側の席に座った。興奮が覚めない皆は元気そうにお喋りを始めていたが、私は大きな欠伸を零した。お茶子ちゃんがそんな私に気づき、
「眠いんなら肩貸そうか?」
と言ってくれたで、私はその言葉に甘えてお茶子ちゃんの肩に頭を預ける。
……今日は頑張りすぎたな…。私は再度欠伸をこぼす。………これから……私はどうしたら良いのだろうか…
合格した私は、緊急時に限りヒーローと同等の権利を行使できるようになった。つまり、ある程度自由が効くようになったということだ。だが、今から私が帰るのは学校の寮…。行動が制限される場だ……生徒の中にスパイがいた時のための行動の矮小化…考案したのは相澤先生だろう。
平和の象徴、オールマイトが力尽いた。犯罪の抑止となっていた彼なき今、犯罪は増加するだろう。ヒーロー社会は変化を求められている。だが、それは先生を無くしたヴィラン側にも同じことが言えた。均衡が崩れ大きく変化していく世の中で、若者たちが社会の中心となっていく…。
「古きものは淘汰されなければならない…」
何故かその言葉が頭を過ったが、私は眠気に抗えず瞼を閉じた。