第14章 その後·····
その後、クラスメートたちも顔を出した。私と轟は抱き合ったままだったが、彼らはいつもの兄弟の馴れ合いかとスルースキルを発動した。…慣れとは恐ろしい。しかし、その場には爆豪はいなかった。
「爆豪は自宅待機だってよ。まぁ、当たり前だよな。今回、あいつとお前が狙われてたんだから」
切島がそう説明をし、私はそういえば私とは違い爆豪にはきちんと家族がいるのだと気づいた。何もかも私基準にしてはいけないな。
「よ…よかった。夜蝶ちゃん…僕またつか見損なったと…」
緑谷は緑谷で半泣きで私に謝るし。私は彼のもじゃもじゃ頭をわしゃわしゃとする。
「私は大丈夫だよ。それより緑谷くん、腕の怪我やっぱり酷いんでしょ。無茶はダメだよ無茶は」
「……う、うん。でも、夜蝶ちゃんのセイマーがなかったら腕が吹っ飛んでいたかもって……本当ありがとね」
律儀にお辞儀をする緑谷に私は微笑む。そして、病室に泊まると言い張る轟を姉が無理やり引き剥がし、クラスメートたちと共に帰ったのは既に夕日が落ちそうになる頃だった。