第10章 その後
「…あなたはあなたで…それでいいんじゃないですか?」
私はポンポンっとその背を軽く叩く。その途端、ズシッと重みがかかり、私はエンデヴァーが再び眠りについたのだと知る。
「え…このタイミングで寝る??」
よほど疲れていたのか、それとも普段からこうなのか。私がようやくエンデヴァーから逃れると、これまた災難がやってきた。
「…夜蝶…お前…とうとう親父にまで…」
なんかすごく失礼なことを言われている気がする。私はブンブンと首を振った。すると、
「じゃあ…このクソ親父が、迫ってきたってことか?」
と殺気を顕にしそうな顔つきの轟にさっきより大きく首を振った。
「寝ぼけてただけだよ。なんか…お母さんと間違えたみたいで」
「…そうか。お前の母さん…爽和って言ったっけ?」
縁を切られたと聞いていたので、轟が知っていたとは意外だった。驚く私の顔を見て、轟は何でもなさそうな顔で答えた。
「任務帰りの親父が大体寝言で、その名を口にしてたからな」
エンデヴァー…それってもう…依存の域じゃありません?