第8章 職場体験の前に起こったゴタゴタ
「はぁ!?お、お前らいつの間にそんな関係に!?!? 」
「違うから!! 轟にはならないから!! 」
「べっ…別姓ってことか。ま、まぁ、そんなあり方もあると思うぜ」
「だから違うって!!」
完全に勘違いをしているクラスメートたち。これは…早くどうにかしないとカップルという認識になるな。そうしたら、今後やりづらくなること間違いなしだ。…轟はこの調子だから、私が何かするしかない。私はため息をついて、口を開いた。
「私は今、誰とも付き合う気はないの。だから、轟くんと付き合って…」
「じゃあ、なんで朝通学路で抱き合ってたんだ!?」
……はぁ?私はその発言をした峯田くんを見た。峯田くんは涙を服の袖で拭っていた。え、なんで泣いてるの…
「お、俺は見たぞ!!朝、轟と抱き合ってたよな! 轟がお前の肩に腕を回して密着してんの……お、俺は見てたんだからな!!!!!!」
…車が来てた時か。私はさらに頭が痛くなった。収集がつかなくなったこの場を、どうにかする手立ては、もう本当のことを言うしか……
「…おい、朝から騒ぐな」
しかし、ベストなタイミングで相澤先生が現れ、混沌としていたクラスは途端に静かになった。………た…助かったぁ…!!