第17章 彼氏のフリ*カラ松
デート当日
つつがなく1日が進み、友達カップルからも変な目を向けられることはなかった
というか、妙な言動をしないカラ松君はただただカッコよくて・・・ドキドキしてしまった
人にぶつかりそうになると抱き寄せられたり、話を振ると優しく微笑みながら返してくれたり
カラ松君ってこんな人だったっけ
あの変な言動ばかりに目がいってしまって、彼の本質を見ていなかったのかもしれない
友達のおかげで気付けた、感謝しよう
友達カップルと別れ、帰路に着く
カラ松君が送ると言って聞かないので、お願いすることにした
「今日はありがとう」
カ「あぁ、一之瀬の希望に添えていたか?」
「え、あの、うん。無理なこと言ってごめんね」
何となく申し訳なくて地面を見つめながら歩く
カ「なに、一之瀬の頼みだからな。これくらいなんてことはないぞ」
「カラ松君・・・」
不覚にもまたドキリとした
私どうしたんだろう
カ「ま、また何かあれば俺に言えばいい」
「・・・ありがと」
カ「俺は、お前のためなら・・・」
「え?」
何かを呟くカラ松君
いつもの自信満々な感じとは違い、どことなくソワソワしながらで、うまく聞き取れなかった
カ「・・・いや、たまにこうして出掛けるのもいいな」
少し悲しそうに空を見上げながら言う彼
「そ、そうだね」
色々聞き返したかったけど、何となく言えなかった
そのまま私の家に着いてしまう
どこかギクシャクしたまま、この日は別れた