• テキストサイズ

松の間

第9章 君の視線*一松


席替えから数週間
分かったのは、一松君はほぼ寝ていること

自習になった今もクゥクゥ寝ている
プリントをやり終えてしまって暇な私は今日も彼を観察することにした

変態じゃないからね?!興味だから!

にしても、なんでこんなに肌綺麗なんだろ
洗顔とか何使ってるのかな、聞いてみたいかも
あ、髪もだからシャンプーコンディショナーなんかも…

なんてアレコレ考えながら見つめていたら不意に声がした

一「ねぇ…そんなに見られたら僕穴空くんだけど」

そう言いながら一松君はノッソリと上半身を起こした

「え、あ、あの」

嘘、起きてたの?!
何か言い訳、と頭を動かそうとしたけどなかなか浮かばない

一「僕のことみてて楽しい?」

「えと、ゴメンね?」

とりあえず謝る
寝てる(と思ってた)のにジッと見られてたら嫌だよね

一「…答えになってないんだけど」

「へ?」

一「ねぇ、何で僕みてたの」

急に不機嫌になったと思ったら、今度はノンビリ問われた

「何でって興味が沸いたから」

一「僕に?」

「六つ子ってことに」

一「はぁ…あっそ」

そこまで言ってまた机に突っ伏した
何だったんだろ、怒ってるのかな

一「あのさ」

「ん?」

突っ伏した状態で顔だけこちらに向けてくる

一「もっと僕をみれる席につかない?」

「もう隣に座ってるけど」

一松君の言葉の意図が分からない

一「僕の彼女って特等席、君に座らせてあげてもいいけど」

こんな上から目線な告白聞いたことない
なのになぜか、一松君らしくて茶化せない

「えと、私でいいの?」

一「元々一之瀬ちゃん以外考えてないし」

「え?!」

一「…僕1年の時から好きだから」

顔を赤くしてる。何か可愛いな

「一松君ありがとう。特等席ください」

一「ヒヒ、縛りつけてあげるよ」


あ、はやまったかも
そう思ったけどもう遅い
隣から手が伸びてきて、頭を撫でられる

一「ずっと見てた。触れたかったんだ」

優しい手付き
絡み合う視線

この視線から始まった私の恋
貴方の視線を絡ませて、離さないでね




-fin-
/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp