第7章 僕の気持ち*チョロ松
水族館から駅前に戻ってくれば、もう日が傾きかけていた
もう1日が終わるのか、早いな
チ「少しだけ公園行かない?」
「?いいですよ」
公園まで来てベンチの座る
チ「何か飲む?買ってくるけど」
「大丈夫ですよ」
チ「そっか。じゃあ早速、これ」
小さなビニールの袋を差し出す
一之瀬さんは首を傾げながら受け取った
チ「今日の思い出にと思って」
袋から取り出されたのは掌サイズの亀のぬいぐるみ
「可愛い、フカフカ!」
チ「お揃い」
僕と彼女の掌に同じものがのっている
「お揃い…なんかくすぐったいですね。でも嬉しいです」
両手の真ん中に亀を乗せ、微笑みながら眺めている
さて、本命を渡そうかな
チ「あと、これ」
「ノート、ですか?」
そう、なんの変鉄もないノート
でもこれには
チ「僕が思ってることとこれからのことを書いたんだ」
そう言うと一之瀬さんがノートを開く
「笑顔が素敵、料理が出来る上に美味しいのはポイント高い」
読み上げながらペラペラとページを捲る
「彼女のコーヒーを毎朝飲みたい。ゆくゆくは子どもを2人…て、子ども?!」
チ「僕としては一姫二太郎がやっぱり理想だし、それでも歳の間隔は考えないと」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
彼女の大きな声に遮られる理想
「ゆくゆくは子どもって、その、け、結婚てことですよね」
チ「そうだけど」
「そんなサラッと」
不満そうに俯いた一之瀬さんの方を向く
チ「いい加減、僕からちゃんと言わないとね。結婚を前提に僕と付き合ってほしい。君はとっくに僕の真ん中にいるんだよ」
「そんな、だって…アイドルさんには勝てないんじゃって」
そこまで言った時、彼女の目から一筋の涙が流れた
チ「にゃーちゃんはもちろん好きだよ。でも、将来まで考えたいと思うのは一之瀬さん、君なんだ」
そっと彼女の背中に手を回し抱き締める
チ「君が好きだよ。この先君が隣にいてほしいんだ」
「チョロ松さん…私、チョロ松さんの隣にいたいです」
チ「よろしくね、僕の一之瀬さん」
そう言って触れるだけの軽いキスをする
これからの長い、二人の時間に想いを馳せながら
---その後、チョロ松のライジングノート通りに二人が家庭を築くのは、もう少し先のお話---
-fin-