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〜bizara knabino〜【鬼灯の冷徹】

第4章 *地獄不思議発見


『いやぁ、でも当たるなんて凄いですね』



「ほんと、そうだよねー」



『オーストラリア……良いなぁ』



本当、小声で言ったつもりだったのだが鬼灯様に聞こえていたようで隣から声が掛かった。



「さん、オーストラリア行きますか?」



『…………え、良いんですか?』



「えぇ、大王が来なければ良いですよ」



「何でワシ駄目なのっ?!」



ゴリゴリと金棒で顔を突かれている大王と、実行者の鬼灯様をよそに、悩む私。
オーストラリア…行きたいが、外国だし不安しかないが…

しばらくの間悩み決断した頃には、大王も鬼灯様も席に戻っていた。



『じゃあ、お言葉に甘えて…』



「分かりました。スケジュールはまた合わせましょう」



「良いなー。ワシも行きたいなー」



机に頬杖をつき不貞腐れた様に鬼灯様を見ながら言っている大王。
おもいっきり睨まれてますけど…大王。



『すみません、大王。 ちゃんとお土産買ってきますから(笑)』



「う、うん…楽しみにしてるよ」




そこで会話が一時途切れたため、やっと麻婆豆腐を食べれる…。

ちょっと冷めてはいるが大丈夫だろうと口に入れると…何か違和感が。




『……あれ?』



「どうかしたの、ちゃん?」



『何か、味が違う気が…』



少しだけ、辛味が増した様なそんな感じがしたのだが…
自分の気のせいかな?と思っていたのだが、大王の顔が青ざめているので鬼灯様の仕業だと勘づいた。



『鬼灯様…? 何かしましたか』



「いえ、ふと…その激物にさらに辛みを足したらどうなるのかと思いまして」



そう言ってタバスコを出してくる鬼灯様。
なるほど……あれを入れたと…
すでに容器の半分程まで減っているのだが、半分入れたのか他の場所でも使ったのか定かではない。



『鬼ですね…』



「鬼ですよ、アナタも私も」



『そうでしたね…まぁ、食べれるので大丈夫ですけど(笑)』



鬼灯様の言葉で、改めて自分が鬼だということに気付かされた。
やっぱり、地獄に居ても鬼と接していても、自分自身が鬼と言うのは改めて言ってもらわないとふと忘れてしまいそうになる。

辛みが増した麻婆豆腐を完食し、少し残った仕事を片付けるためにそれぞれ自室へと戻って行った。
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