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〜bizara knabino〜【鬼灯の冷徹】

第4章 *地獄不思議発見


『はぁ、書類確認っと…あとは鬼灯様に渡すだけ』



仕事部屋で書類の確認作業をしていた私は、長い間同じ姿勢でいたため大きく伸びをする。
背中や肩からバキバキッと聞こえたのは…まぁ、気のせいにしておこう。
書類をまとめ机の上の時計を見ると、もうほとんど夜ではないか。



『時間が経つのは早いですね…夕食でも食べに行きますか』



ベールを身につけ書類を持ち鬼灯様の部屋へと向かう。
仕事部屋に居れば良いのだが、もしかすると夕食を食べに行ってるかもしれないな、と足を早めた。


庭に面した廊下を通っていると、金魚草に水をあげている鬼灯様を見つけた。



『鬼灯様』


「さん、どうしました?」


『書類の確認終わりましたので持ってきました』


そう言って私は廊下から書類の束を見せる。


「お疲れ様です」



水やりが終わったのか、手に持っていた釣り竿?っぽい物を片付けこちらにやって来る。
書類を手渡し目を通してもらう。



「…………はい、確かに。ありがとうございます」



『いえ、鬼灯様夕食はもう食べましたか?』



「これから行く所です。良ければ一緒に行きますか?」



『はい、もちろんです(笑)』



鬼灯様からのお誘いに笑顔で答え、2人で食堂へと向かう。
今日は何を食べようか……辛いものが食べたいなぁ。



「ずっと思っていたんですが、そのベール食べる時邪魔にならないんですか」



突然顔のベールを指さされ驚いた。
今言うことなのか、それは…



『そうですね…正直に言いますと、邪魔です』



「食事の時は取っても大丈夫だと思いますよ?」



『取りたいですが…やっぱり警戒してしまいますね。実際食堂は周りの目が多いですし』



「まぁ、確かにそうですね」



『何百年前の事でも、心の傷はそう簡単には癒えません。鬼灯様も違います?』



「……似たもの同士です」



『そうですね(笑)』




意味深な会話をしながら、再び私達は食堂に向かう。

ベールの下を見たって何もいい事は無い、あるのはただ恐怖のみ。


『(私はもうあんなのは真っ平御免ですよ、鬼灯様)』
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