第3章 想い
私が広間の中に入ると同時に周りに
粟田口の短剣ちゃんが集まってくる
「主様ですねっ!」
「僕たちずーっとお待ちしてたんですよっ」
「主さん可愛い〜っ」
キャッキャッと、元気に話しかけてくれる
「少し落ち着きなさい、一辺に話されると
主が困ってしまいます」
一期がお兄ちゃんらしく落ちつかせようとするけど
「えー、いち兄だって
主さんに早く会いたくてお迎え行ったんでしょー!」
「そうですよ!ボク達が行くと言ったのに…」
乱ちゃんや平野くんが反論する
「うっ…それは、そうですが、」
そんな粟田口兄弟のやりとりを見ていると大変心が和む
『うふふ、元気だね〜』
すると後ろからも
「よお。大将が俺っち達に会いてえと思ってくれてたの
知ってるぜ。ありがとな」
「これからも、よろしくお願いしますっ」
その後も
色んな刀剣男士たちと挨拶を交わす
目をキラキラさせながら、はたまた少し照れながら
ーーーーー
「さて、少し落ち着いたところで
主よ、何か聞きたいことはあるか?」
『うん、なんで
私はこっちの世界に来たのかな?
皆、私がなんて呼んでたか知ってるし
何でこっちに来たいって知ってたのかも、聞きたい』
こっちに来てからすごく不思議に思ってた
皆は私が審神者だってわかってる
それはまだいい。
私のそれぞれの呼び名も知ってるっていうのは
どういうことなんだろう
「まあ、簡単なことだ
主がこちらへ来たいと強く願った事。
それに、我らが応えただけの事だ」
『…え、待って待って。
答えになってないんだけど!』
「なぜ呼び名を知っているかって事だよね?
まあ、なんだろうね。
主の僕たちへの想いが強かったからからじゃないかな
いつも聴こえてたよ」
みっちゃんが答えてくれる。
「かすり傷作ってきただけであんなに謝ってくるとは驚いたぜ」
あっはっはっ、と鶴丸が笑う
『なんか、そこまで知られてると恥ずかしいなあ…』
心に思ってたことまで知られてると、、ねえ。←
「でも可愛がってもらえて俺は嬉しいよっ!
主だーいすきっ!」
加州が抱きついてくる
「ボクも!主のこと、だいすきだよっ!」
言いながら加州を引き剥がそうと頑張る安定。
「ところで主様、
いつか、向こうに戻られるのですか?
小狐はずっとお側にいとうございます」
予期せぬ質問と新たな問題が浮上した瞬間だった。
