第4章 Episode3 #過去
「店長……、あの……」
柚葉ちゃんが少し気まずそうに私に声を掛けた。
『どうしたの?』
「梶さんのこと、なんですけど……」
梶さん、という言葉に過剰に反応してしまう。どうして柚葉ちゃんがそんな話を振るの?
「最近来ないのって、この前のことが関係してますか………?」
私は何も答えられなかった。
あの場にいた柚葉ちゃんと海斗くんは知っているのだ。何があったのか。
私は察して、と目で訴えた。
『さ、今日も頑張ろうね』
私は何も無かったかのように過ごした。
それがお互いに1番いい。
*
*
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閉店時間はもうとっくに過ぎた。
そろそろ仕込みを始めようとした時、扉に付けてある鈴がカランと音を立てて扉が開いた。
『申し訳ありませんが、もう閉店時間は────』
「まだopenになってますよ、店員さん♪」
そう言って現れたのは………
「久しぶり、ミネ」
そう彼は…………
『誰ですか?』