第23章 ここで会ったが何回でも
「なんだよ、とりあえず言ってみろよ」
疑わしい視線を向け続ける白石。
警戒しすぎだろ。
「今日一晩俺を買ってくれないか?」
「はぁ!? なんでだよ! 俺はそんな趣味ないの!」
「わぁかったって。いやいや、どこかの富豪のようによぅ、俺を一晩買ってゆっくり休ませてくれねぇかって話」
さすがは白石。どういうことかをすぐに理解したようだ。
それからすぐに納得したような顔で一度うなづき、次の瞬間にはとんだ高い買い物だな! と言わんばかりの顔。
そして最後には真顔。
「断る」
「なんでさ」
「そもそも俺にはそんな金はねぇ」
「泥棒しろ。この大根泥棒が!」
「何で知ってるんだよ!」
「うるせぇ! 黙って買いやがれ!」
俺は白石の財布を奪い取り、そこから飯代を払い、残りは全部俺の懐に入れた。
「じゃ、そういうことで。今晩の俺はあんたのもんだ、先客に断り入れてくるわ」
「ぅおぉいっ! 俺の金ぇ!」
「わははははは!」
(小樽怖いとこもう来ないっ!)
(また来てね☆)
(行かないっ!)
(ク・セマシテク)