第22章 後ろの正面だぁれ
いつもの時間のいつもの銭湯。
今日は客を漁りに来たわけじゃない。
ただ単純に、昨日の色々を洗い流しきれいさっぱり。
この後飯食ってどこかで昼寝でもしようかと考えてた。
「っはぁー……」
なんだよ、湯船につかったら声ぐらい出るだろうが。
「はぁぁあぁああ」
……これは俺じゃない。
「おんなぁああああっ!」
「あ! おでこはんぺん大男! わぶっ」
いつぞや俺のところにやって来て「女を紹介しろ」と迫り、結局捕まえられず俺が相手をした大男。
大きな身体に見合う大きなブツを隠すことなく湯船から立ち上がり、俺を頭から押さえつけ湯船に沈めた。
……何で沈めた。
「ばっかやろう! 死ぬじゃねぇか!」
「すまぬ。しかし、おさまらぬぅぅうぅうううううう!」
不幸中の幸いは、ついさっき最後の入浴客が上がっていき、俺とこいつしかいない事だろう。
隣の女湯の事は知らん。
「おさまらぬってなぁ……ここ公共の風呂だぜ?」
「今なら誰もいない。だれもいなぁああい!」
あ、俺、おわった。
ゆっくり後ずさり湯船から上がろうと画策していたが、興奮した羆男に敵う訳もなくがっつり腰を掴まれ尻を向けさせられた。
あ、俺の尻、おわった。
まぁそのなんだ。
準備していたわけじゃねぇ。
ただ、昨夜は客を取って終わって金もらってそのまま寝たから、今絶対に無理ってわけでもないのは確かだ。
だがな、こころのじゅん
「うおぉぉおおお! んぱんぱんぱんぱっ!」
「あぅぐっ!」
ばかみてぇに太いチンポ……
俺みたいな男娼じゃない、普通の男なら医者に行っても見放されるほどケツの穴が裂けるやつ……