第3章 盛りの王
「あ?んだ。お前囚人か。」
「んひいいいいいい!!」
とうとう怯えた顔になって、縮みあがる。
逃げ出そうと必死にもがくが、こちらにもこちらの理由がある。
逃がすか。
「金塊なんぞ興味ない。」
「う、う、うそだ!そうやって俺を油断させて殺す気だろう!」
「いや、本当だって。俺の友人も囚人だもん。」
「いやぁあああああああああ!!!」
さらに暴れる客を締めつけると唐突に、ぬるりと抜けだした。
ほう、こいつ。
聞きしに勝る脱獄王か。
逃がすか。
「オラ待て。」
「殺される殺される殺されるころされる」
「殺さねぇって。お前の刺青にゃ興味ねんだって!良いから黙ってケツ向けろ!」
「俺のケツ処女ぉおおおお!」
腕やら肩やらは関節を外されて逃げ出されそうだ。
だから俺はこの、客で脱獄王でどうしてもケツを掘ってやりたいこいつの腰をがっちりつかまえる。
そして、そのままブリン。とケツを剥く。
「ひゃぁああああん!」
「良いケツしてんじゃねぇか!」
「ヒャン!」
バチン!と叩くと良い声で鳴きやがる。
おら!オラ!と脱獄王の背中に跨り、ケツを叩く。
時折揉む。
玉が下に見えたから、そこは優しく揉む。
もみもみもみもみもみもみもみもみ。
「ひゃあああ」
「へ。そうそう。そーやって黙ってケツ出しときゃ万事解決なんだっつの。」
「も、もう…!」
「うん?あぁ、はいはい。しゃぁないね。たまには立ちも悪かないさ。」
「ちがぁああああああ!」
ケツ処女、いただきました(アーーーーーッ!)
「お、おれのけつしょじょ……」
「けっ!時化てんな。半分にしといてやるよ。またおいで。」
「来るか!二度と来るか!」
俺の手から財布を奪って、またも胸元をかきよせて、逃げてゆく。
あ。
そういやあいつの名前なんだったかな。
家永が何か言っていた気がする。
しろ、しら、しらい……
まぁいいか。
なんだかあいつには、また何処かで会うことになりそうな気がする。
(ク・セマシテク)