第18章 ニシパ、ニシパ、あ、せんぱい
「よぉ? 久しぶりだな」
街中で背中に声を掛けられた瞬間、全身がびくりと固まった。
「こっち向けよ、十兵衛?」
「や、やぁ……キロ、キロランケ。ひっ、久しぶりだな、どうしたんだ? 山から下りてきたのか?」
「ちょっとなぁ。訳あってうろついてるんだ。奇遇だな、今、時間あるか?」
無い。
無いと言いたい。
しかし、この真昼間、俺は暇なのだ。
残念なことに。
「あるよな。ちょっと付き合え」
このキロランケ。何を隠そう俺の軍人時代の先輩に当たる人だ。
がっちりと肩を掴まれ、にっこりとほほ笑まれれば逃げられるはずもない。
「安くしてくれるよな」
「は、はい……」
ずるずると連れ込まれたのは俺の部屋。
仕事部屋。
もちろん今夜も予約があって、部屋は完全に整っている。
「相変わらず、ニオウなぁ」
「そりゃぁそうさね。ささ、急ぎましょ」
「急ぐぅ? お前、先輩に向かって急ぐって何だぁ? 今回も激しくいくからな、覚悟しろよ」
ああああああ……
俺のケツ……サヨウラナ