第16章 いつか。絶対。
訓練の合間の楽しみと言えば、飯、風呂、寝る。
上官にしごき倒されて、身体はくたくた。
軍人の父の伝で、俺も何となくここへ入った。
そして、俺と同じく父親の居る場所故にここへ来たやつがいた。
尾形百之助。
当時、伝でここへ入る男なんかざらだった。
だが、俺たちは孤立していた。
訓練で組まされる事も多かった。
上官は俺たちを邪魔者、いや、触らぬ神に何とやらか?問題を起こさないには、関わらないに越した事はない。そんな風だった。
俺の周りは平和だったと言えるだろう。
そう。
あんな事が起こるまでは。
俺と尾形は。
ただの友達だったんだ。