第13章 王、策士にハマ…ハメ…
何となしに街をぶらつく。
そろそろどこかで昼寝でもしようか。と思っていると、どこかからか小さく。
「ひっ」
と聞いた事のある声が聞こえた。
昼寝は後だ。
この声の主を探そう。
うろうろうろうろしていると、やはり時折。
「ひっ」
と声がする。
ははぁん。ここだ。
「みーつけた!」
「み!て、て、てへ☆みつかっちゃった!次は俺が鬼をやるから、君が隠れるんだぞ☆」
「お前さん、名前なんてんだ?教えねぇと皮剥ぐぞ。」
「んひぃいい!」
何かの樽の後ろに隠れていた男。
以前、俺の部屋に娼婦と間違って入ってきた男。
名前が分からず、ずっと苛々していた。
だから、ちょいと胸倉を掴んで凄んでみている。
「な・ま・え!」
「し、白石よし、た、け……です。」
「そうだ!白石だ!思い出した!ははぁー!すっきりしたわー。」
「さいですか!では俺はこれで!」
「まぁ待て待て。一杯やらねぇか?」
「それは!酒か?酒だろうな!」
「おう、酒だ。」
がっちりと腕を組み、ずるずると昼からやっている酒が飲める店を探して歩く。
その間ずっと。
「小樽怖いとこもう来ない小樽怖いとこもう来ない小樽怖いとこもう来ない」
「うるせぇ!犯すぞ!」
「ひぃいいいん!ごめんなさぁい!」