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好きだ。-烏達の恋-

第9章 其々の戦い


烏養side


烏「毎度~」


俺は実家の小せぇ店"坂ノ下商店"って店の店番中。
まぁ、こんなオッサンが実家暮らしってのもどうかと思う奴も多いだろうが。
…まぁあれだ。気にすんな。
こんな俺でも最近悩みはある。
それは


烏「うおっ?!」


ダダダダダ


烏「またお前か!!!」

武「あ!す、すみません!!お客さんが居るか確認を…」


今目の前に居るしつこい先生。
じいさんがぶっ倒れた後、バレー部の顧問になった先生だ。


烏「あんたもしつこいなぁ、先生。監督やってたのは俺じゃなくて俺のじいさんだ。」

武「お願いします!素人の僕じゃ、力不足なんです。」


見た目は運動部の顧問に見えねぇが、熱意はある。
若い先生で、こんなに必死に部の為に走り回れる人はそうそう居ないだろう。


烏「俺はな、今でもバレーをするのが好きなんだ!コーチなんてやってたら、モヤモヤしてなんか嫌だ!」

武「ええ?!」


そればかりじゃねぇがな。
もしかして、説明した方が引き下がってくれるかも。
ここぞとばかりに、いつもは必要最低限しか使わない口が動く。


烏「それに、あそこに戻りたくない。」

武「え?!もしかして何か嫌な思い出が…」

烏「嫌、その逆だ。あそこは俺の青春が詰まってる。」

武「では何故?」

烏「俺がいた頃となんら変わってはいない。だが、俺の居た頃とは確実に違う。その場の雰囲気とか匂いとか…もう、あの頃には戻れない。」

武「成る程!ノスタルジーですか!良いなぁ~」

烏「な?!そんなんじゃねぇよ!!///」


ホントにこの先生はポエミーっつうか、さらっと恥ずかしい事言うよな!自覚ねぇのか?!


(あー。なんか漫画で人の回りに花がふわふわ浮いてるのがあるが、そんな感じになってるよ。)


そんな先生でも、


武「では、"音駒高校が練習試合に来る"と言ったらどうですか?ニヤ」


ゾクッ


めちゃくちゃ真剣な…いや、悪巧みしてる様な微笑みを浮かべられるのか?!


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