第9章 其々の戦い
澤村side
俺が体育館に続く通路を歩いていると、旭が体育館の入り口に居た。
体育館の中をそっと覗いている。中には日向と影山が部活前のスパイク練習をしていた。
部活に戻ってきた…わけでは無いようだ。
(旭…)
澤「…今年の1年は凄いだろ?」
東「げ!澤村!!」
澤「げってなんだ!!逃げるな!」
東「だってお前怒ると怖えんだもん…」
澤「別に今怒ってないだろう!(高校男子がだもんって…)」
旭はビクビクしながらもその場に留まった。
スガは昼休みとか、旭の所へ行って声を掛けているけど、俺は直接会いに行くことはしていない。
それは、旭が絶対戻ってくるって信じているから。
(でも旭の事じゃ、俺が怒ってると思ってるんだろうな。)
引き戻す…チャンスかも。
澤「…あのさ、1ヶ月も部活休んだこととか、西谷に会わせる顔が無いとか、そんなのどうでもいいからな。」
東「え?!」
澤「てか、西谷がそんな事気にしてる様なやつじゃないだろ!お前とは違うんだからな!」
東「そ、そこまで言わなくても…」
澤「まだバレーが好きなら、戻ってくる理由は充分だ。」
東「…」
だから
戻ってこいよ
エース