第9章 其々の戦い
東峰side
風間、日向、影山と話をしてから数日後。
俺はまだ、部活に戻れないでいた。
(そろそろゴールデンウィークだな。)
この時期は、バレー部の合宿がある。みんなで朝から晩までバレー漬けの日々を過ごす。最近まで当たり前だった部活での風景が、瞼の裏に映る。
(もう、俺が居なくても…勝っていけるんだろうな。)
独り哀愁に浸っている俺の耳に届く、体育館からの懐かしい音。
シューズが床を蹴る音。
トスを上げる音。
スパイクを打つ音。
そして
ボールが跳ねる音。
足が自然に体育館へ向かう。
(でも、俺は…)
バレーを見る資格すらない。
今もまだ、バレーから背を向け続けているのだから。
それでも少しだけ…そう思って、気づかれないようにそっと中を覗く。
日「もう一本!!」
練習をしていたのは、俺に会いに来た1年生の日向と影山だった。
影山「うっせぇな!分かってるっつってんだろボケェ!!」
日「こいやぁ!」
日向が助走する
そして
重力に逆らうように
"翔んだ"