第9章 其々の戦い
東峰side
新しいマネージャーの子…たしか風間って言ってたかな。その子に言われてから気づいてしまった。
(そうか、俺はバレーと離れて辛かったのか…)
だだ、あの鉄壁が嫌で、戦えない自分が不甲斐なくて、戻ろうにも仲間がまた仲間に入れてくれるか不安で、仲間に会わせる顔が無くて…怖いから、だからバレーはもうやらないと決めていた。
でも、俺はバレーと離れて、バレーから逃げて、辛かったんだ。大好きな物から背を向けて、淡々と生活していることが、辛かった。
(今更気づくなんてな。)
でもだからって、簡単に戻れるものじゃない。
男子「おーい!旭!今度はバレー部の1年生が来てるぞ~!!」
東「え?」
男子「お前、今日は変なモテ日だな!」
じゃあな!と陽気に去っていくクラスメイトを背中で見送り、俺は目の前に居る1年生2人と対面する。