第9章 其々の戦い
黎side
(う~ん、旭さんってどんな人なんだろう。)
昨日の先輩方の雰囲気から察するに、チームにとって大事なメンバーの1人であることは間違いない。
気になってしかたが無い私だが、1人で3年生のクラスに、しかも知らない人を訪ねて行く程の勇気はない。
自分のクラスの前で廊下を行ったり来たりしていると、日向君がワクワクした顔で歩いてきた。
貴「日向君!」
日「あ!風間さん!今から影山と旭さんを見に行くんだけど、一緒に行く?」
貴「うん!」
なんたる偶然!日向君と影山君がいるなら怖くない!旭さんがパンダ扱いになってるのは…気にしないようにした。←こら
影山君と合流し、3人で3年生がたくさん居る廊下を進んでいく。
(なんか視線が痛い)
とある教室の前を通ったとき、背が高く体格が良い3年生とすれ違った。それとほぼ同じに聞き慣れた声が廊下に響く。
菅「待てよ!旭!!」
日・貴「旭?」
東「え?何?」
日・貴(やべ、声出てた?!)
なんと今日は偶然の連発です。廊下ですれ違った背の高い先輩が、噂の旭さんでした。
菅原先輩が私達を紹介してくれているが、
(こ、この人怖い!!ホントに10代?!)
菅「それでこの子が新しいマネージャーの…あれ?」
影「おい、なんで俺の後ろに隠れてんだよ。」
貴「うう。だって。」
菅「お前がそんな髭だからだぞぉ。」
東「ええ?!」
菅原先輩におちょくられている東峰先輩を見て、見た目よりかなり可愛い人だと分かり、私はゆっくり影山君の後ろから顔を出す。
貴「は、はじめまして…」
東「ぁ…よ、よろしく。」
菅「何で旭まで照れてんだよ!大地に怒られるぞ!」
東・貴「え?!」
菅「え?」