第8章 守護神
私がドリンクを体育館に持っていくと、日向君と西谷先輩が部活に戻っていた。
西谷先輩は、後輩達の見本でやってるだけだからな!って言いながら、楽しそうにレシーブをしていた。
影「おい。風間。顔色わりぃぞ。大丈夫か?」
貴「え?大丈夫大丈夫!昨日寝不足なの。」
影「…そうか。」
顔色が悪いなんて気づかなかった。咄嗟に誤魔化したけど、嘘ってばれてないよね。
部活は順調に進み、自主練習にはいった。早速日向君と月島君と山口君が西谷先輩にレシーブを教えて貰うようだ。
西「だからさ!サッと行って、スッとやって、ポン…だよ!」
「「????」」
田「駄目だ!本能で動いてる系の奴は何いってるかわかんねぇ!」
影「え?そうですか?俺は何となくわかりましたけど。」
田「お前も本能で動くタイプだからな!お前の説明もグワッとかウワッとかで、何いってるかわかんねえよ!」
影「…ガーン」
貴「あらら。」
影山君が固まっちゃったよ。田中先輩が嘘つけないの分かってるから尚更ズサッと刺さるんだよね。田中先輩に自覚はないけどね。
澤「おーい!そろそろあがれよー!」
その号令を合図に、みんなが片付けを始める。
私と清水先輩も片付けしていると、武田先生が体育館に顔を出した。
武「ごめんごめん!会議が長引いちゃって。」
澤「いえ。お疲れ様です。」
武「なんか、顧問らしい事できてなくてごめんね。」
菅「そんなこと無いですよ!」
武「でも今、技術面をサポートしてくれるコーチをお願いしてるから。」
澤・菅「コーチ?」
なんか、また少しずつ歯車が動き出した。
そんな気がした。