第8章 守護神
西谷side
(あの根性なし。…馬鹿野郎。)
西「俺だけ戻っても…意味無いっすよ。旭さん…」
俺はエースが旭さんだから、だからあの試合でリベロの仕事を…拾って繋ぐことを諦めずに続けたんだ。
諦めずに、何本でも何本でも何本でも…俺が繋ぐ限り飛び続けてくれるって。
絶対にこの人は、鉄壁を打ち破ってくれるって。
西「俺は、旭さん以外エースとして認めねぇ。」
中庭のベンチに腰掛けて、ただこのイライラをどうしたら良いか分からずに、地面の雑草と睨めっこをしていた。
?「あ、あの!!」
西「あ?」
?「ひっ」
俺の頭の上の方で、声が聞こえたから顔をあげると、体育館に居た、ちっこいオレンジ頭が俺の方を見てビクビクしている。
西「ああ、体育館に居た奴か。」
日「は、はいぃ!日向翔陽と言いやす!」
西「で、何のようだ。」
日「…ニシヤさんは、リベロですよね?レシーブ専門の。」
翔陽が俺をリベロと最初から決めつけているのが少し引っ掛かった。どうせまた身長の事を言うんだろう。さっきも俺の方が小さいって喜んでたしな。
西「ニシノヤだ。なんで俺がリベロだと思う。小さいからか。」
日「え?レシーブがうまいから!」
(ん??)
日「リベロって、レシーブがうまくないと出来ないポジションでし…ですよね?俺、レシーブがうまくなりたい、です。バレーで一番大事なのに…俺はまだ下手だから。」
西「なんだ。わかってるじゃねぇか。」
日「それに!キャプテンが守護神って言ってました!」
西「大地さんが?!(くそぉ大地さんめぇ!!)///」
日「だから!お願いします!にし、西谷先輩!!!」
先輩…先輩…センパイ…せんぱい…………
西「お前…練習の後にアイス奢ってやる。なんせ俺は、先輩だからな!!キラーン」