第8章 守護神
影山side
俺は今、放課後になってすぐの廊下を小走りで進んでいる。
今日は、部活が始まる前にサーブの練習をする為に早く体育館に向かっていた。少しでもサーブのコントロールをあげないと、及川さんに、青葉城西に勝てない。
(てか、あんな宣戦布告されて黙って居られるか!!)
ネットを張り、コートの隅にペットボトルを置く。及川さんは、端にいた月島にサーブを打ち込んでいた。つまり、このペットボトルを確実に倒すくらい出来ないと、あの人を越えるなんて夢のまた夢だ。
大きく深呼吸して、高めにサーブトスをあげる。そして思いっきり相手コートに打ち込む。
"バシン"
(よし!良い手応えっ)
影「?!」
日「っどへ」
ボールがペットボトルに当たると思っていたが、日向が急に現れて盛大なホームランレシーブをかました。
影「日向てめぇ!!今の当たったんだぞ!!」
日「レシーブできたか?!」
影「出来てねぇよ!!特大ホームランだ!!」
日「ちぇ」
くそ。日向のボケェ。折角良い感じだったのに。
俺は切り替えて、日向がボールを拾いに行っている間にもう一度サーブを打つ。
"バシン"
(よし、今度こそ!)
"スッ"
影「?!」
"ポン"
俺が打ったサーブは、いきなり現れた知らない人によって、完璧にセッターポジションにレシーブされた。
"澤「そろそろ戻ってくるはずなんだよね!烏野の守護神が!」"
(…完璧なサーブレシーブ…こ、この人が…)