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好きだ。-烏達の恋-

第7章 大王様、登場



澤村先輩の方を見ると、眉間にシワを寄せて及川さんを凝視していた。


澤「アイツが青葉城西のキャプテンでセッターの及川だ。」

貴「え?じゃあ、やっぱり今まで…」

影「青城は、万全ではなかった。」

全「「…」」


万全じゃない、つまり、及川さんが居れば万全と言う意味であって…青葉城西が強豪と言われる由縁は及川さん、ということなのだろうか。


影「俺、サーブはあの人を見て覚えました。」

日「か、影山の師匠…」


(げっあのえげつないサーブの師匠なの?!)


影「しかも、すっげぇ性格悪い。月島以上かも。」

日・貴「それはひどいな。」

月「…ムス」


拗ねてる月島君を横目で流しつつ←こら
及川さんと相手の監督の話を聞いていると、バッチリです、と及川さんがニコニコしていた。もしかして遅れてきたのも怪我をしてる…とかかな?
話を終えた及川さんは、私達の方を裏がありそうな怖い笑顔でみてる。


及「やっほー!飛雄ちゃん!久し振り~…あれ?なんか可愛い子が増えてるぅ♪」

貴「ひっ」


目があった私は思わず澤村先輩の背中に隠れる。そしてタイミング良くホイッスルがなり、みんながコートへ向かう。
澤村先輩は私にタオルを渡すと、小さな声で私を呼び
、真剣な顔のまま優しい声で私の頭を軽く叩く。


澤「大丈夫。守るっていったろ?」

貴「はいっ」


私が笑うのを見て、先輩は走ってコートに入っていく。

澤村先輩は回りに凄く気を使っている。他のメンバーが気がつかない様な変化を察して行動し、変人速攻の成功率を上げるため影山君の頭上に必ずレシーブを挙げ、良いプレーが出れば一番に喜び、ミスが出れば声をかけて自分のプレーで帳消しにする。


"自己犠牲を厭わない者。チームに全てを懸けられる者。その者こそがチームの柱だ"。


父の言葉が甦る。


(私は…その柱が倒れないように…支えたい。)

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