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好きだ。-烏達の恋-

第7章 大王様、登場



ライトで日向君が飛ぶと、相手のブロックがむきになって追いかけてくる。勿論、影山君がそれを見逃す訳がない。
ドンピシャのタイミングで、レフトを使う。


田「いらっしゃああい!!」


"ズパーン"


田中先輩の重いスパイクが、相手のコートに突き刺さる。
澤村先輩も縁下先輩もフリーで打てる事が多くなってるし、月島君も相手を欺くフェイントが面白い位に決まっている。囮をサボらず飛んでくれている日向君のおかげだ。
第2セットは烏野が取り返し、勝負は第3セットに託された。

第3セットが始まってすぐ、烏野がブレイクしたところで青城が早めのタイムアウトを要求した。
コートから帰ってくるみんなからは笑顔が見える。
でも、影山君は少し不安そうな表情をしている。


貴「日向君、ナイス!」

日「えへへへ///」

菅「相手に影山みたいなサーブ打つ奴居なくて良かったなぁ。」

縁「…何か強豪って言われてる割にはって感じしますよね。」

澤「確かにな。」


そう。手応えが無さすぎる。誰か足りない…とか?


田「大丈夫っすよ!日向もいるし!」

影「いや、あまり油断出来ないと思います。多分、相手のセッター、正セッターじゃ」

女子「「きゃー!!及川さーん!!」」


影山君の言葉が聞こえないくらいの歓声…いや、悲鳴。
女子達の視線の先には、青城バレー部のジャージを着た長身の男子。慣れているように、女子達に手を振っているあたりがキザで、私が苦手なタイプだ。田中先輩は既に睨み付けて喧嘩を売っている。


田「影山君、あれ誰ですか?僕本当に不愉快です。」

影「…及川さん。」

縁「影山が知ってるって事は、北川第一の人?」

影「はい。」


及川さんって言う人が来てから、影山君の表情が強張り、相手の空気が変わった。
一体何者なのだろうか。
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