第7章 大王様、登場

黎side


田中先輩の深イイ話が決まった所で、日向君はようやく緊張から解放された。


そして始まる。第２セット。


影「日向がもとに戻った所で、反撃いきますか。」

全「「おう！！」」


日向君が復活して最初のプレー。
影山君の高速トスがジャンプした日向君へ飛んでいく。ブロックは誰もついてこれていない。
日向君が思いっきりスイング…するけど


"スカ"


ボールは日向君を通りすぎて、床に転がる。


貴「…少し高かったのかな。」


日向君はまた失敗したと思ってビクビクしてる。でも、


影「悪い日向、今のトスちょっと高かった。」

ら「？！」

日「…許してやらなくもない！！ほぎゃ！」


(またやってるよ。)


一言余計に言って、影山君に頭を鷲掴みにされている日向君。もういつもの二人に戻ってる。これで一安心。
相手のコートでは、日向君の人間離れしたジャンプ力と、中学時代の影山君とのギャップにかなり戸惑っている。
次のプレーは、相手の動揺を利用したいところだ。

相手のサーブを田中先輩がしっかりレシーブ。影山君の頭上から高速で放たれるトスは、既に最高打点に到達している日向君の手に吸い込まれる。


"スパーン"


相手のブロックは飛ぶことすら出来ない。
超高速速攻。人呼んで、


月「でたよ。"変人速攻"」


だそうです！
相手もギャラリーもビックリしている。
コートではみんなが円陣を組んでいた。


「「おーす！」」

日「おおお！チームっぽい！！」

田「ぽいじゃなくて、チームだろうが。ﾆﾔ」

日「おっす！おーす！！」


やっぱり、チームっていいな。