第6章 小心者の緊張
日向side
何やっても上手くいかない。
主審につっこんだし、ネットに突っ込んだし…。
このままじゃ、このままじゃ…らっきょヘットが言ってたみたいに、役立たずは要らない!とか影山に言われてベンチにポイ………つまり、交代?!
(いやだ、交代いやだ!!)
これ以上、影山怒らせてたら駄目だ。
このサーブは失敗しちゃ駄目だ!
俺は、大丈夫。大丈夫。大丈ばない……
"ピッ!"
日「ひぃ!!」
"バコ"
(や、ヤバい)
今のサーブ、ちゃんと手に当たって無い!ネットにかか……る
"バァン!!"
影「……………」
日「か、影山…」
や、やっちまったぁ!!!!
寄りによって、影山の後頭部に当てちまった!
田「ぶははは!おい、後頭部大丈夫か?あはは!」
月「ははは!ナイス後頭部!!」
澤「おい!二人とも止めろ!」
もう、駄目だ。もう引っ込められて、一生レギュラーになれない。影山怒らせたから、もうトスも挙げてもらえないかも…きっと影山に回し蹴りとかされて…。
澤「ちょっと、影山?!」
縁「お、おい」
落ち込んでると、影山が黒いオーラを纏いながら俺の方へ大股で歩いてくる。しかも、これは…かなりヤバイ!!
日「か、影山ぁ!!は、話せば分かる!」
"キュ"
影「…お前さ、一体何にびびってるわけ?体育館が広いから?初めての練習試合だから?俺の後頭部にボール打ち込む事より怖いことって…」
"バチン"
影「何?」
日「…特に、思い当たりません。」
影「じゃあもう怖いこと何て無いよなぁ!もうやっちまったもんな!一番怖いこと!
…じゃあ、とっとと通常運転に戻れ!ボケぇ!!!!!」
へ?通常運転に戻れ?それってつまり
日「い、今のはセーフ??」
影「はぁ?なんの話だ!」
今のが平気って事は大体大丈夫じゃねぇか!あのラッキョヘット、ビビらせやがってぇ!!
でも、今のプレーでセットを落としてしまった。
影山が良くても…先輩達は…。
田「おい、日向。」
(や、やっぱり?)