第6章 小心者の緊張
矢「俺、青葉城西の2年の矢巾秀って…え?」
チャラい人…じゃなかった。矢巾さんが自己紹介をしている途中、私の後ろの方を見て驚いてる…より怖がってる。
田「うちのマネージャーと選手に、なんのようですか?コラァ」
矢「ひっ」
(あ、離れた。ホッ)
田「それとな、影山が昔のままだと思ってたら大違いだぞ!らっきょくん!!」
ら「ら、らっきょ?俺?」
らっきょと言われてキョトンとしているらっきょ君。でも…言われたこと無いのだろうか。
田「な!日向…あれ?」
日「べ、便所……」
ここで、"おうよ!"とか言ってくれれば、いつもの日向君なんだけど、今日はトイレへ直行。
なんか、今は日向君を独りにしておく方が良さそうだ。
それに、私はこれ以上チャラ…矢巾さんに捕まりたくない。
貴「田中先輩、戻りましょう。」
まだ矢巾さん達を睨んでいる田中先輩の背中を押しながら、私は体育館へ無事に帰還した。
貴「ふぅ、田中先輩助かりましたぁ。」
田「おう!変なことされてないか?」
貴「はい!お陰さまで。」
田中先輩に御礼を言っていると、澤村先輩が日向君の様子を聞きにきた。一通り説明すると、田中先輩が矢巾さんの事を話してしまった。
澤「ほぉ。うちの大事なマネージャーにそんな事する奴が居るのかぁ。」
影「金田一といた奴か。」
月「ふぅん。」
近くで話が聞こえていたらしい影山君と月島君が参戦し、なんか私を囲んでいる。悪いことしてないのに、何で私が囲まれなきゃならないの?!怖いからぁ!!
縁「す、菅原さん、何か怖いんですけど。」
菅「大地~顔こぇーぞー。」
田「え、大地さん、どうしたんすか?」
(田中先輩!あんたのせいだ!!)
澤「強豪だろうが何だろうが、この試合、何しても勝つ。」
影・田「おう!!」
月「何しちゃいましょうかぁ?フフ」
(何してもって…ええ?!なにすんの?!)