第6章 小心者の緊張
日「た、田中さん、すみません。」
田「いや、もういいって!てか、お前大丈夫かよ?」
日「は、はい。吐いたからもう平気です。」
バスの中で日向君がリバースしたものは、田中先輩のズボンの上に納まった。
これも全て、影山君のせいだ。
貴「田中先輩、もう一枚ビニールいりますか?」
田「おう!サンキュー。日向、体育館も相手選手もデカいからな!ビビるなよぉ!」
日「…うっ、と、トイレ…」
田「上の次は下か!忙しいやつだなぁ。」
訂正しよう。影山君と田中先輩のせいだ。
田中先輩は大笑いしてるし、影山君は日向君に余計なことを言いそうだから、菅原先輩に羽交い締めにされてるし。 もう、成るようになれって感じ。
荷物を持って、田中先輩達の後についていくと、
?「ああ、影山ってどうなの?」
?「アイツはチームプレーに向いてないっすよ。ホント。」
青葉城西のバレー部らしき人達が、影山君の噂をしながら、こっちに歩いてきた。
そっと影山君の方を見ると、真っ直ぐに頭がらっきょうみたいな人を見ている。
きっと、元チームメイトなんだ。名前分からないし、取り合えず"らっきょ君"って呼ぼう。
?「最近はそんなに強くねぇよな。」
勿論、この台詞でぶちギレる人達、ここにいますよ。
田「あまり俺達をナメてると、食い散らかすぞ。」
"カァー!!"
ら「?!」
(烏?!)